山口由美子(74)の顔には、左〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)から唇にかけて切られた傷痕が残る。2000年5月3日、佐賀から福岡・天神に向かう西鉄高速バスを、当時17歳の少年が乗っ取った。少年は手にしていた包丁を、乗客だった山口の顔に振り下ろした。
今も傷が痛む時がある。だが、少年に対して憤りや憎しみを覚えることはない。あの日、バスの中で少年はつらさと怒りが入り交じった表情をしていた。「こんなことをしないといけないほど、追いつめられていたんだ」。意識が薄ら...
山口由美子(74)の顔には、左〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)から唇にかけて切られた傷痕が残る。2000年5月3日、佐賀から福岡・天神に向かう西鉄高速バスを、当時17歳の少年が乗っ取った。少年は手にしていた包丁を、乗客だった山口の顔に振り下ろした。
今も傷が痛む時がある。だが、少年に対して憤りや憎しみを覚えることはない。あの日、バスの中で少年はつらさと怒りが入り交じった表情をしていた。「こんなことをしないといけないほど、追いつめられていたんだ」。意識が薄ら...
無料会員登録(山陰中央新報IDを取得)すると
付きのデジタル記事が月5本まで読める
ニュースレターで最新情報を受け取れる
プレゼント応募や、クーポンが利用できる