食と観光の事業について話す西原史郎氏=島根県邑南町矢上、矢上高校
食と観光の事業について話す西原史郎氏=島根県邑南町矢上、矢上高校

 大手飲食店情報サイトを運営する「ぐるなび」(東京都)の食と観光企画部長の西原史郎氏(46)=松江市出身=が15日、島根県邑南町矢上の矢上高校で講演した。同社は邑南町と協定を結んで食と観光を通じた魅力発信を進めており、普通科の2年生20人に、豊かな食文化を磨き上げ強みとすることの重要性を説いた。

 西原氏は日本の食料自給率低下や漁業従事者の減少を挙げて「日本の食の未来を本気で考えないといけない」と指摘。ぐるなびは「日本の食文化を守り育てる」とのテーマを掲げ、月4千万人以上が閲覧するサイトで飲食店を紹介し、食と観光の体験プランを提供して、地域活性化に取り組んでいることを強調した。

 ぐるなびが町内の飲食店と共同で取り組む事業「里山レストラン構想」を紹介。食と風景を楽しむ仕掛けで、県外からの集客が期待できると説明し「町を豊かにする方法を若い皆さんにも考えてもらいたい」と述べた。

 ぐるなびから町に派遣され、生産者の調査や情報発信に取り組む森里佳さん(31)も登壇し「邑南町の観光資源はどれも素晴らしい。たくさんの良さに気付いてほしい」と呼び掛けた。講演を聞いた斎藤隆貴さん(16)は「町への見方が変わった。もっと町のことを知り、自分も発信していきたい」と話した。(糸賀淳也)