松江市内の河川で大量発生しているアカミミガメ
松江市内の河川で大量発生しているアカミミガメ
仕掛けたわなを確認する遠藤修一代表=松江市殿町
仕掛けたわなを確認する遠藤修一代表=松江市殿町
松江市内の河川で大量発生しているアカミミガメ
仕掛けたわなを確認する遠藤修一代表=松江市殿町

 松江市内の河川で特定外来生物・アカミミガメが増える中、今年も、島根県から委託を受けた市民団体による「捕獲作戦」が始まった。28日は周辺で藻刈りが行われていたことからカメが警戒し、網にかかったのはわずか数匹にとどまったものの、繁殖力が強いだけに、10月末までの捕獲期間中、一定数の捕獲が見込まれる。

 市民団体「まつえワニの会」が県の委託による捕獲を始めた2021年は2323匹、その後、22年3752匹、23年1642匹を捕らえた。同団体の遠藤修一代表(77)は「確保したのはほんの一部に過ぎない」と漏らす。

 ミシシッピアカミミガメをはじめとしたアカミミガメは1回当たりの産卵数が2~23個で、年に多くて5回産卵。困るのは在来の水生生物を食べるなど生態系へ及ぼす影響も大きく、シジミを殻ごと食べる例も確認されている。

 ペットとして飼育されていたカメが捨てられたりして川にすみ付いてから、松江市内では堀川や天神川、馬橋川などに生息範囲が拡大した。

 環境省は外来生物法に基づき23年6月に条件付きの「特定外来生物」に指定し、輸入や野外放出などを禁じたが、対策が追いつかない状況だ。

 この日は同会のメンバー2人が同市殿町の県庁前のお堀に入り、あらかじめ仕掛けていたわなを引き上げた。アカミミガメのほか同じ外来生物であるブルーギルやライギョを駆除した。

 今後は、忌部川や朝酌川下流などでの作業を予定している。

 県自然環境課の青木陽子主幹は、「飼育されている方は放出しないよう管理を徹底してほしい」と呼びかけた。(原暁)