南太平洋の朝空を捉えた「光の絵巻」(左)などを紹介する濱田修一浜田支部長=浜田市野原町、市世界こども美術館
南太平洋の朝空を捉えた「光の絵巻」(左)などを紹介する濱田修一浜田支部長=浜田市野原町、市世界こども美術館

 浜田市野原町の市世界こども美術館で、世界の海で仕事をする航海士らが撮影した写真展が開かれている。広大な朝日や迫力のあるドックなど国内外で撮影した35点が来館者の目を引いている。11日まで(9日は休館)。

 写真展は遠洋漁業などに従事する船員ら約400人でつくる「波濤(はとう)会」が海の世界や仕事を知ってもらう機会にしようと「1マイル写真展」と題し、毎年開き31回目。

 「光の絵巻」は南太平洋の空に広がる朝日を捉えた。地平線付近の薄暗い雲から放つ数本のオレンジ色の日差しが、青空と織りなし帯のように伸びて映る力作。船が下関市のドックに入る場面を撮影した「真っ直ぐ据えて」は、床に敷かれた板木から船体を見上げる構図。船の左右のいかりが鬼の目のように見えて迫力がある。

 南極大陸の氷水を切り取った一枚には「採った氷をグラスに入れブランデーを注ぐ」といった思い出を添え、見る人の想像を膨らませている。

 波濤会浜田支部の濱田修一支部長(70)は「写真を見るだけで世界を旅行した気分になる。1マイルずつ地道に航海した足跡を見てほしい」と話した。

 開館時間は午前9時半~午後5時。入場無料。(宮廻裕樹)