アルコールに依存した人生を語り合うことを通じて酒との関わりを断つ「山陰断酒学校」がこのほど、松江市玉湯町湯町の玉湯公民館であった。全国から訪れた約200人が、酒に溺れて崩壊した家庭の様子を赤裸々に語り、一生の断酒を誓い合った。
参加者は一人ずつマイクを握った。岡山県内から参加した男性は、42年間にわたり毎日欠かさず酒を飲み続けたとし、「酒をやめようと思って入院しても、退院した日に缶ビールを手にしていた。今は1年間の断酒に成功しているが、なぜあんなに飲んでいたのか」と悔やんだ。
滋賀県内の女性は晩酌程度の飲酒から徐々に量が増えていき「ウイスキーを水のように飲むようになってしまった。ブラックアウト(意識消失)もしょっちゅうだった」と声を絞り出した。一時的に崩壊した家族関係も、断酒により回復へ向かっているとし「自分の笑顔を取り戻せつつある」と前を向いた。
断酒学校は全日本断酒連盟が主催し、島根県断酒新生会が運営。3日間の日程で当事者や家族が体験を語り合った。
(白築昂)