島根県奥出雲町議会が25日の9月定例会本会議で、議員報酬を月額5万3千円(27・2%)引き上げて24万8千円とする条例改正案を全会一致で可決した。議員のなり手確保が主な目的で、改定は2005年の同町発足以来初めて。任期満了に伴う来春の町議選後から適用する。
議長の月額報酬は5万4千円増の33万7千円に、副議長は4万1千円増の27万3千円に、委員会(常任、議会運営)の委員長は5万円増の25万5千円となる。
議員報酬は、議会活性化特別委員会で引き上げを検討し、町が特別職報酬等審議会に諮問。審議会は議員の活動量を踏まえて報酬を決める「原価方式」で算定し、24万8千円への引き上げが適当などと答申した。これを受けて議会運営委員会が改正案を提出した。
原価方式は、議員の活動日数を首長の職務遂行日数と比較し、その割合を首長の給料に乗じて報酬額を算定する。県内では美郷町議会が採用し、議員報酬の引き上げ方針を決めている。
条例改正では交通費名目で支払われる「費用弁償」も見直した。本会議や委員会出席時の日額1800円の一律支給を距離に応じた実費支給(1キロ当たり23円)に切り替える。
景山利則議長は「若い人や女性にも目を向けてもらえるよう議会の魅力を高めていきたい」と話した。
9月定例会はこのほか、追加提案された総額1600万円の24年度一般会計補正予算案など16議案を原案通り可決、認定し閉会した。補正予算の主な歳出は、台風と大雨被害の災害復旧費1500万円など。補正後の一般会計総額は前年度同期比2・7%増の159億2700万円。
(福間崇広)