米子市は26日、ニホンザルの脱走事案が発生した湊山公園(米子市西町)の飼育施設でサルの数を確認したところ、管理台帳上の数字より4匹多かったことが分かったと報告した。市はサルに埋めたマイクロチップの管理や飼育状況の確認に不備があったとし、施設改修を含め飼育体制を見直す。

 市議会都市経済委員会で報告した。市によると、昨年11月に作業員が施設を清掃中、檻(おり)の扉を締めず雄1匹が脱走。今年7月は屋根のフェンスの一部が老朽化で破れた状態となり、内側から抜け出した雌1匹が市街地に逃げ出した。

 保健所の指導で施設内のサルを全て捕獲したところ、台帳上は48匹になるはずが実際は52匹いた。外れるなどしてマイクロチップがないサルは10匹を確認。台帳上は死んだとされる個体や、譲渡されて本来はいないサルもいた。

 市はサルの数を台帳上の差し引きで管理してきたが、今後は定期的に捕獲して把握する。脱走防止のため、フェンスを改修するとともに目視点検を1日2回以上、触手による点検も2カ月に1回以上行い、再発防止に努めるとしている。

 市都市整備課の本干尾崇史課長は「専門家の意見を聞いた上で今後の中長期的な管理の在り方を検討したい」と話した。(中島諒)