JAしまねが増築する斐川地区本部のタマネギ調整施設=出雲市斐川町三分市
JAしまねが増築する斐川地区本部のタマネギ調整施設=出雲市斐川町三分市
タマネギを収穫する農家。JAや県は水田園芸の重点推進品目として栽培を推奨する=出雲市内(資料)
タマネギを収穫する農家。JAや県は水田園芸の重点推進品目として栽培を推奨する=出雲市内(資料)
JAしまねが増築する斐川地区本部のタマネギ調整施設=出雲市斐川町三分市
タマネギを収穫する農家。JAや県は水田園芸の重点推進品目として栽培を推奨する=出雲市内(資料)

 JAしまねが、出雲市斐川町三分市にある県内唯一のタマネギ専用調整施設の増強を決めた。受け入れ量を約3倍に増やし、斐川地区外からも集荷する。タマネギは水田園芸作物の重点推進品目の一つで、農家の作業負担を減らし、作付け拡大につなげる。

 調整施設は農家から集荷したタマネギの根や茎をカットし、市場に出荷する。斐川地区は県内作付面積の5割を占める主産地で、1995年に専用の調整施設が建設され、地区内で収穫されたタマネギを受け入れてきた。

 施設(鉄骨平屋)は増築を計画し、現状の5倍となる約4300平方メートルに拡張。最新の選別機を導入し、1日の最大処理量は従来の13トンから35トンに増える。乾燥、冷蔵、貯蔵機能を持つ保管設備も2棟(保管容量計1800トン)新設する。2021年度末までの完成を予定し、事業費は今後見積もる。

 JAと県は、需要減で価格低下が懸念されるコメへの依存から脱却するため、水田を転作してタマネギ、キャベツ、ブロッコリーなど、収益性の高い作物の栽培を支援する。

 タマネギの作付面積は20年産が27ヘクタールで、新規で8ヘクタール増えたが、既存農家の縮小分を差し引くと前年からほぼ横ばいだった。

 専門の調整施設がない斐川地区外では、農家が自前で調整作業を担い、労力負担の大きさから、作付け拡大に踏み込めない実態があった。新施設は県内全域から集荷し、調整作業を一手に引き受けることで栽培のネックを解消する。JAは23年産で73ヘクタールの目標を掲げ、作付け拡大を進める。 (木幡晋介)