厚生労働省は20日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、5千万回分を追加供給することで同社と武田薬品工業との間で契約したと発表した。早ければ2022年初めから輸入する。モデルナは変異株に対応したワクチンの開発も進めており、成功した場合は新しいワクチンの供給を受けることもできる。

 ワクチンの効果は、どのくらいの期間続くのかまだ分かっておらず、追加で3回目の接種が必要になった場合に備えて新たに契約した。海外では効果を持続させるため「ブースター」と呼ばれる3回目以降の接種を既に進めている国もある。

 日本政府はこれまでにモデルナ製ワクチンについて、21年9月までに5千万回分の供給を受けることで契約を締結。日本国内での販売や流通を武田薬品が担う形で輸入されており、大規模接種会場や職場での接種に使われている。

 追加契約について武田薬品は、モデルナによる開発が成功して製造販売の承認が得られれば「変異株に対応するワクチンや追加接種に用いるワクチンを日本へ供給する可能性も含まれている」としている。

 厚労省は、米バイオテクノロジー企業ノババックスのワクチンについても22年初頭から1億5千万回分の供給を受けることを前提に武田薬品との間で協議を進めている。