中国電力は17日、島根原発(松江市鹿島町片句)の構内で4、9月に発生した2件の火災の原因と再発防止策を発表した。4月は電気系統のトラブルが原因で、9月は可燃物を片付けないまま溶接作業を行うミスが一因と結論付けた。いずれも12月上旬を目指す2号機の再稼働に影響はないとしている。
4月の火災は、放射線管理区域のタービン建屋2階ヒーター室で発生。安全対策工事用の電源を供給する仮設ブレーカーが入ったプラスチック製の箱と、中の分電盤が電気系統のトラブルで焦げた。放射性物質の放出はなく、けが人もいなかった。
溶接作業の際、アース線に通常と異なる電流が流れて発熱したという。今後はアース線を絶縁テープで巻くなどの対応を取る。
9月には2号機西側の屋外で、打設したコンクリートの水分が蒸発しないようにかぶせていたマットが燃えた。けが人はいなかった。マットを放置したまま溶接作業を実施したのが原因。建物の鉄筋と鉄材を固定する結束線に溶接作業の電流が流れ、結束線が発熱して溶け落ち、マットに引火したとみている。今後、不要材を定期的にコンテナに搬入する対策を取る。
中電島根原子力本部の吉川正克広報部長は「ご心配をおかけし、おわび申し上げる。再発防止策を確実に実施し、事例を協力会社に共有して安全管理に万全を期す」とコメントした。(白築昂)