井原(いばら)雲涯(うんがい)という書家をご存じだろうか。「明治の三筆」の一人、日下部(くさかべ)鳴鶴(めいかく)の高弟(こうてい)にして、書道雑誌『書勢(しょせい)』の主幹として大正から昭和初期の書道界の中核を担った人物である。

 井原雲涯は、慶応4...