米子市が18日、市有地だった皆生温泉街の高齢者向け施設跡地でグランピング(高級キャンプ)施設を整備予定だった民間事業者から、「事業収益の見通しが不透明になった」として「ホテル建設」に計画変更する申し出があったと、市議会都市経済委員会で報告した。市は公募でこの事業者を選定し、土地を売却済み。公募要件の範囲内と判断し、再公募は行わず変更を認めた。

 旧市有地は「老人憩いの家」(皆生温泉4丁目)の跡地。市は2019年3月に用途廃止し、「国内外から多くの人を呼び込むにぎわい拠点施設」を要件に公募(2021年1~3月)した。唯一提案があった不動産業の東大産業(米子市米原5丁目)のグランピング施設を選んだ。

 市観光課によると、土地は最低価格2376万円と設定し、21年9月に同社に売却。計画変更の申し出は、新型コロナウイルスの5類移行に伴うグランピング業界の規模縮小などを理由に、事業開始期限の「売却から3年」が迫った8月末にあった。

 変更後は「皆生温泉のロケーションなどを最大限生かしたホテル」とし、全室海に面した「オーシャンビュー」などを想定している。25年夏以降のオープンを見込んでいるという。

 同課の田中佑課長は取材に対し、申し出の承認は9月上旬に市の内部決裁の手続きを踏んだと説明。「公募要件に合致している」と話した。(吉川真人)