吹きこぼれの痕跡があるかめなどを見学する来館者=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館
吹きこぼれの痕跡があるかめなどを見学する来館者=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館

 【出雲】出雲市斐川町神庭の荒神谷博物館で、弥生時代の食文化に焦点を当てた企画展「突撃! 弥生人の食卓」が開かれている。土器によるご飯の炊き方をパネルで解説し、調理器具や食器類などの資料を展示。来館者は弥生人の食文化に思いをはせている。2月9日まで。

 炭化した弥生時代の米や農耕具、漁労具、かめ形土器や木製さじといった島根県内の弥生時代の遺跡から出土した資料約90点を展示した。こげつきや吹きこぼれの跡があるかめからはリアル感が伝わってくる。魚や肉などを食器に盛り付け食卓も再現した。

 土器作りの際、粘土の中に入った植物の種や虫が、焼いた後に形だけが穴として残ったのが「圧痕」。キビや稲もみ、稲穂の圧痕のある土器も並ぶ。圧痕の拡大写真があり、調理器具を作る工程が垣間見える。

 同館の柏谷実加(みか)・学芸主任(42)は「稲作や炊飯技術の礎を築いた弥生時代の食卓を思い描きながら見てほしい」と話した。

 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。観覧料は一般420円、高校大学生210円、小中学生110円。展示室は火曜日休室。(佐藤一司)