島根県立美術館(松江市袖師町)で開かれている第71回日本伝統工芸展(島根県、県立美術館、山陰中央新報社など主催)は25日の閉幕が迫る中、精緻な技術と個性あふれる世界観を持つ作品を来場者が熱心に鑑賞している。
陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の入選作から、山陰両県の地元作家による16点を含む270点を展示している。
日本工芸会奨励賞に選ばれた大木淑恵さん(埼玉県)の花籃(はなかご)「兆(きざし)」は、竹のしなやかさを生かした作品。重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されている鳥取市河原町の白磁作家、前田昭博さんが手がけた鉢なども並ぶ。
夫婦で訪れた出雲市大社町北荒木の主婦、西尾美智子さん(76)は「毎年すてきな作品ばかり。書道を習っているので、斬新な丸みを帯びたすずりに引かれた」と満足そうに話した。
21日は陶芸の吉田幸央さん、22日は諸工芸の氣賀澤雅人さんのギャラリートークがある。いずれも午後2時から。(黒崎真依)