画家が手がけた絵本を紹介する荒川智之さん=松江市大庭町、沙羅書房
画家が手がけた絵本を紹介する荒川智之さん=松江市大庭町、沙羅書房

 松江市大庭町の沙羅書房で20日、「美術家たちが絵を寄せた絵本」の展示が始まり、美しく描かれた絵本が訪れた人を楽しませている。22日まで。入場無料。

 沙羅書房を運営する荒川智之さん(72)が、50年以上前から収集する本を展示した。画家や版画家が手がけた絵本約100冊を並べ、実際に読むことができる。

 画家の三橋節子さんの「雷の落ちない村」は三橋さんが、がんと闘病しながらわが子への願いを込めて描いた絵本。滋賀県に伝わる民話を題材にし、主人公の子どもが雷から村を守ろうとする内容。落ち着いた色彩で、子どもの無邪気な表情や、山や湖が丁寧に描かれ目を引く。

 鉛筆画家の木下晋さんの作品「ハルばあちゃんの手」は女性の一生がテーマ。手のしわを細かく描き込み、年を重ねる様子を表現した。

 荒川さんは「絵本を大人にこそ楽しんでほしい」と呼びかけた。午前10時~午後3時。(林李奈)