阿部俊子文部科学相が中央教育審議会(中教審)に、授業時間短縮などの2030年度以降の学習指導要領改定を諮問したことを受け、島根県の丸山達也知事が26日の定例会見で「学習内容を減らせと言っていることに対してゼロ回答で、失望する内容だ」と苦言を呈した。
【丸山知事語録】これまでの発言集
学習指導要領の在り方を巡っては、丸山知事は昨年から2年連続で、政府主催の全国知事会議の場で問題提起。全国学力テストの基礎的な問題の正答率が低い状況から、増加している学習内容を減らして基礎学力定着を最優先するような改定を訴えていた。
諮問は1コマの授業時間を5分短縮し、生じた余剰時間を個別学習に充てるなど学校現場の裁量に応じて教育課程の柔軟化を検討するよう要請。丸山知事は初歩的なところでつまずいている子どもが放置される状況は変わらないとし、文科省に「義務教育を何とかしなければならないとの職責を持っていない」と断じた。
諮問にある「各学校や教育委員会で創意工夫を最大限引き出し」の文言にかみつき「学校の先生にもっと創意工夫しろと言うならば残業は減らないし、働き方改革も進まない」と指摘し「自分たちの戦略が間違っているのに現場の部隊で何とかしろと言っている」と文科省を批判した。
(原暁)