ケーキの盛り付けをする赤堀長行さん=出雲市渡橋町、グランシェノン
ケーキの盛り付けをする赤堀長行さん=出雲市渡橋町、グランシェノン
赤堀長行さんの作品(グランシェノン提供)
赤堀長行さんの作品(グランシェノン提供)

          
ケーキの盛り付けをする赤堀長行さん=出雲市渡橋町、グランシェノン

          
赤堀長行さんの作品(グランシェノン提供)

 出雲市の洋菓子店で、日本一になったパティシエが腕を振るっている。グランシェノン(出雲市渡橋町)に勤務する赤堀長行さん(34)。2024年10月にあった国内最大級の洋菓子コンテスト「ジャパン・ケーキショー東京」ギフト菓子部門で連合会会長賞に選ばれた。「自信になった。今後もお客さまに食べて喜んでもらえるケーキを作り続けたい」とさらなる成長を誓う。

 コンテストは毎秋、東京洋菓子協会などが都内で開く。今回は全14部門に国内外から1500点が集まった。赤堀さんが出品した部門は、縦横25センチ、高さ無制限という条件で独創性や見た目の美しさ、味の良さを競う。

 作品のメイン食材には赤堀さんの地元である長野県の特産のリンゴとクルミを選んだ。ペースト状のパテをパイ生地で包むフランスの伝統料理「パテ・アンクルート」がモチーフ。同店のオーナーシェフ・福間将司さんと相談して決めた。

 パテの主役のリンゴはジャムにして、皮と一緒に煮て香りを引き出した。5ミリ角に切って真空調理したリンゴも使い、果肉感を出した。ジャムの下に滑らかな口当たりのクルミとホワイトチョコのペースト、サブレなどを重ねた。包むパイは割れないように水分や厚さを調節し、サクサクに仕上げた。

 甘さと酸味、香りのバランスにこだわり、1グラム単位でジャムの量を調節。7カ月間かけて完成させた。コンテスト直前は午前2時まで調理場に残り、同6時には出社する日々を過ごして仕上げた。

 コンテストでは審査員4人が満場一致で1位に推薦。福間さんは「努力してつかんだ日本一。よくやってくれた」とたたえた。

 パティシエ歴10年の赤堀さん。再来年をめどに、独立して長野県内で店を出す予定。「細部までこだわった作品が1位になってうれしい。これからの菓子づくりに生かしたい」と力を込めた。

(佐野翔一)