益田市有明町の島根県立石見美術館で、コレクション展「触感のある絵」が開催されている。絵画は美術館で触ることができないが、モチーフの質感や手触りを感じられる作品19点が並び、来館者の関心を引いている。13日まで。
静物や人、風景を水彩や油彩で描いた明治から昭和期の作品を展示した。椿貞雄の「冬瓜(とうがん)南瓜(かぼちゃ)図」は、写実的で重厚感があり、ボコボコとして重さのあるようなカボチャが巧みに描かれている。
日本海の荒波や港に船が停留する様子などを描いた風景画は、ゴツゴツとした岩肌の質感に加えて、気候や時季による空気感も感じ取れる。
担当する左近充(さこんじゅう)直美専門学芸員は「触感を想像することで絵の世界観に入り込み、モチーフを見て描いた作者の追体験になる。感覚で味わってみてほしい」と話した。
午前9時半~午後6時。観覧料は企画展とセットで一般1150円、大学生700円、小中高生300円。コレクション展のみは一般300円、大学生200円、小中高生無料。(藤本ちあき)