コウノトリとトキをデザインしたコーヒー豆「珈ノ時」を販売する三瓶浩己さん∥出雲市渡橋町「パイゾン出雲」
コウノトリとトキをデザインしたコーヒー豆「珈ノ時」を販売する三瓶浩己さん∥出雲市渡橋町「パイゾン出雲」

 国の特別天然記念物・コウノトリが営巣する雲南市で、コーヒー焙煎(ばいせん)・販売の「つちのと舎(や)」(雲南市木次町寺領)が、コウノトリとトキをデザインしたコーヒー豆「珈ノ時」の販売を始めた。売り上げの一部はコウノトリやトキの保護活動に寄付される。

 つちのと舎代表の三瓶浩己さん(42)は、東日本大震災後の2011年、東京都から島根県に夫婦で移住した。14年から自家焙煎コーヒーの販売と無農薬の米作りを始めた。

 三瓶さんはコウノトリが生息、繁殖している同市で環境保全活動に役立てたいと日本生態系協会(東京都)に相談。同協会の協力を得て、コウノトリと、隣の出雲市が27年度に放鳥を目指しているトキのデザインを入れたコーヒー豆を販売することにした。

 ブラジル産の有機JASのコーヒー豆を焙煎した。コウノトリやトキを思いながらコーヒーを味わう時間を過ごしてほしいと「珈ノ時」と名付けた。

 雲南市のグッディー木次店で税抜き1190円(100グラム)、オンラインショップでは送料・税込み1500円で販売する。

 出雲市渡橋町のブラジル料理店「パイゾン出雲」で8日、試飲会を開いた三瓶さんは「自然環境に興味を持つきっかけになればうれしい」と話し、同協会の佐藤伸彦統括主任研究員は(52)「コウノトリやトキの生息に適した環境づくりに多くの人が関心を持ってほしい」と期待した。(佐藤一司)