CAFFE VITA店主でバリスタの門脇裕二さん
CAFFE VITA店主でバリスタの門脇裕二さん

 目覚めの一杯や食後の一杯、午後の眠気覚ましなど、何かと飲むことの多いコーヒー。しかし、おいしいコーヒーの入れ方を聞かれると、即答できない人が多いのではないでしょうか。家庭でも本格的な味が楽しめるよう、バリスタにおいしいコーヒーの入れ方を教えてもらいました。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 向かったのは松江市学園2丁目の「CAFFE VITA(カフェ・ヴィータ)」。店主でバリスタの門脇裕二さん(44)は、2016年UCCコーヒーマスターズのハンドドリップ部門で中四国大会優勝、全国大会3位の経歴を持つ。名実ともに一流バリスタの門脇さんに、さっそくドリップのコツを教えてもらった。

① サーバーの上にドリッパー、フィルター、コーヒーをセットする。お湯はしっかり沸騰させておく。
② お湯をコーヒーの上に乗せるイメージで少量注ぐ。「の」の字を描くように、まんべんなく注ぐのがコツ。
③ 【ポイント】コーヒーを蒸らす。新鮮なコーヒー豆はお湯を注ぐとふくらんでくる。ふくらみがピークに達するのが蒸らし終わりの目安。この一手間で、コクや深みがグッと増す。
④ 残りのお湯を少しずつ注ぐ。中心から外側へ、ぐるぐると渦巻き状に注ぐ。同様に外側から中心へと注ぐ。
⑤ ④を繰り返す。【ポイント】お湯を注ぐときは、ふち(フィルター)にお湯がかからないようにする。フィルターにかかったお湯は、コーヒー豆とフィルターの間をすり抜けて落ち、味が薄くなってしまう。
⑥ 分量までドリップが終わったら、完成。フィルターの上にお湯が残っていても、分量に達したら抽出をやめる。余分に抽出するとその分味が薄くなってしまう。

 今の暑い季節に飲むことが増えるアイスコーヒーについても、ハンドドリップでおいしく入れることができる。手順は同様で、お湯の量を半分にし、ホットコーヒーよりも濃く作る。「ドリップが終わったら、氷を入れたコップに注ぎ、アイスコーヒーの完成です。濃いコーヒーを作ることで、氷が溶けても薄まらず、おいしく飲めます」と門脇さん。

 コーヒー豆の選び方については「基本的に、“なんかおいしい” “飲みやすい”といった直感に従ってほしいです」とのこと。苦みが強いのが好き、あっさりと飲みやすい味が好きなど、なんとなくでも、味の好みを店員に伝えると良いという。参考までに、それぞれの豆の味の特徴を教えてもらった。

ブラジル:チョコレートのようなフレーバーと甘み
コロンビア:コクと苦み。後味が長く残るため、余韻を楽しめる。
グァテマラ:ドライトマトのような、ほんのりとした酸味
モカ:レモンティーのような酸味
マンデリン:どっしりと重い苦み・ハーブのような香り

 よく聞く「ブレンドコーヒー」とは、店が独自の分量でさまざまな豆を配合したもの。店によってまったく異なる味が楽しめる。さまざまな店のブレンドを飲み比べ、自分好みの味を探してみるのも楽しそう。

 豆は冷凍保存すると鮮度が保たれるとのこと。「常温で保存するよりも、冷えた場所が良いです。冷蔵庫だと豆が湿気を吸ってしまったり、ニオイが付いてしまったりするので、冷凍庫をおすすめしています」。コーヒー豆には水分がほとんどないため、冷凍庫に入れても凍らないとのこと。解凍する必要がなく、冷凍庫から出してすぐ使えるのはうれしい。豆をひくときは、粗びきだとあっさり、細びきだと濃い味になる。細かくひきすぎるとえぐみが出てしまうので注意したい。

 「近年、自宅で本格的なコーヒーを入れたいという人が増えているのを感じます」と門脇さん。家で過ごす時間が増えたことで、自分でコーヒーを入れる機会も増え、せっかく入れるならおいしいコーヒーを、と思う人が増えているのかもしれない。東京五輪もいよいよ終盤。日本選手の活躍を応援しながら、バリスタ直伝のおいしい入れ方、試してみてはいかが。