荷を解いて「ブリロの箱」を出す運送業者のスタッフ=倉吉市駄経寺町2丁目、鳥取県立美術館
荷を解いて「ブリロの箱」を出す運送業者のスタッフ=倉吉市駄経寺町2丁目、鳥取県立美術館

 鳥取県が16日、鳥取県立美術館(倉吉市駄経寺町2丁目)にポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの立体作品「ブリロの箱」を搬入した。県が5点を計約3億円で購入して話題を呼んだ目玉作品。開館記念展(3月30日~6月15日)でお披露目される。

 「ブリロの箱」5点とウォーホルの立体作品「キャンベルスープ缶」、人気の高い江戸時代の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)の屏風(びょうぶ)「花鳥魚図押絵貼(かちょうぎょずおしえばり)屏風」を搬入。緩衝材で厳重に包んで段ボール箱に収めた状態で慎重に運び、荷を解いた後、美術館の職員が異常がないかどうかを確かめた。

 ウォーホルは商業製品を題材にした作品で知られ、「ブリロの箱」はたわしの包装箱をそのまま大きくしたような作品。県が購入した5点のうち1点は「A・W」とウォーホルのサインがある。県立美術館の尾﨑信一郎館長は「20世紀の美術の重要な作品。なぜあれが美術品なのかと考えるきっかけになる」と話した。

 県は美術品と関連資料計約1万点を県立博物館(鳥取市東町2丁目)で所蔵。3月30日の県立美術館の開館に向け、作家のスケッチブックや絵筆といった関連資料が昨年10月ごろ、美術品が年明けに移転が始まり、今月末まで続く。(桝井映志)