JR西日本のIC乗車券「ICOCA(イコカ)」(同社提供)
JR西日本のIC乗車券「ICOCA(イコカ)」(同社提供)

 鳥取県内の全路線バスと空港連絡バスで2026年春、交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」での決済ができる見通しになった。JR山陰線は25年春に鳥取-倉吉駅間でイコカが利用可能となる予定で、鉄道とバスを組み合わせた公共交通利用の利便性向上が期待される。

 県が25年度一般会計当初予算案に事業費2億1千万円を計上する方針で、交通事業者を支援する。県交通政策課によると、県内の民間路線バスと空港連絡バスは計213台。「Suica(スイカ)」など別の交通系ICカードも利用できるよう調整する。

 県内では、鳥取、米子両市が運行するバスで交通系ICカードによる決済ができる。

 イコカなどの交通系ICカードに対応した決済機器の更新が高額なため、県外では一度導入した事業者が廃止する動きがある。鳥取では、県外からの観光客が県内で使えない状況に戸惑うケースを改善するため導入に踏み切る。

 平井伸治知事は23日の定例会見で「キャッシュレス交通が県内に到来し、現金に代わる決済手段が県全体に広がる」と期待した。

 島根県内では、県交通対策課によると、イコカを含む交通系ICカードの決済は、一畑バスや松江市交通局、石見交通など多くの路線バスで導入済み。現在現金決済のみの空港連絡バスは、クレジットカードのタッチ決済ができるシステムを3月までに導入する予定。

 (岸本久瑠人、高見維吹)