伝統芸能・石見神楽の夜間定期公演が1日、松江市玉湯町玉造の日帰り温泉施設「玉造温泉ゆ~ゆ」であった。江津市内の人気社中が石見神楽の代表的な2演目を披露し、約100人の来場者が温泉街に響く軽快な囃子(はやし)と勇壮な舞を楽しんだ。
江津市都治町を拠点とする都治神楽社中が、「恵比須」「大蛇」を上演。恵比須ではあめをまいたり、観客を巻き込みながら暴れるタイを釣ったりする演出で盛り上げ、大蛇ではステージをところ狭しと動き回る大蛇と須佐之男命との激しい立ち合いを披露した。
太鼓や手拍子、横笛で奏でる独特の調子が鳴り響く中、観客は石州和紙で作られた神楽面や蛇頭(じゃがしら)、ちょうちんのように伸縮する長さ17メートルの蛇胴(じゃどう)といった道具にも視線を送りながら、約1時間の上演に酔いしれた。
恵比須に連れられ夫婦でタイ釣りに参加した新潟市の会社員、安部奈珠さん(30)は「大蛇も恵比須も生き生きとしていて、旅行のいい思い出になった」と話した。
定期公演は玉造温泉旅館協同組合が冬場の集客対策として企画し、3年目。23日までの土日に毎週上演する。
(堀尾珠里花)