【安来】原爆被爆者の体験談を基に広島市内の高校生が描いた絵の展示会が、安来市安来町の市立図書館で始まった。炎上する市街地を逃げ惑う人々や黒焦げになった家族の姿などを表現した10点が並び、核兵器の恐ろしさと戦争の悲惨さを伝える。8日まで。
広島市立基町高校で美術を専攻する生徒が描いた油絵の複製を展示した。広島平和記念資料館(広島市)の依頼を受け、生徒たちが被爆者や関係者に直接話を聞いて当時の惨状を克明に表現した。
原爆の閃光(せんこう)と爆風に身を伏せる人、顔が分からないほど皮膚が焼けただれた友人、ぐったりとしたわが子を背負いながら助けを求める血まみれの母親など、胸を打つ力作が並ぶ。被爆者の写真や核兵器に関する資料も展示した。
主催した新日本婦人の会安来支部の向田真由美支部長(63)は「被爆者の記憶と思いを後世に受け継ぐため、幅広い世代の人に見てもらいたい」と話した。水曜日休館。最終日は午後4時まで。 (渡部豪)