万博会場の東ゲート付近に設置されているミャクミャク像=6月、大阪市此花区の夢洲
万博会場の東ゲート付近に設置されているミャクミャク像=6月、大阪市此花区の夢洲

 早いもので半年にわたる大阪・関西万博がきょう閉幕する。目標に掲げた約2820万人の来場には届かないものの、2005年愛知万博の2205万人を上回り、運営費の収支は最大280億円の黒字になる見通し。酷評が目立った開幕前を思えば上々の結果ではないか。

 気になるのは“祭りの後”の使い道。シンボルの大屋根リングは「ハードのレガシー(遺産)」(吉村洋文大阪府知事)として北東部の約200メートル分を保存。一部の木材は能登半島地震で被災した石川県珠洲市に建設される復興公営住宅の資材として活用する。万博のレガシーが被災地を脈々と照らす。

 もう一つ、レガシーになりそうなのが公式キャラクターのミャクミャクだ。赤い円形が輪のように連なる細胞をイメージしたロゴマークに「清い水」を表す青色の体。奇抜なデザインだけに「不気味」「怖い」など悪評も多かった。

 ところが会期が進むにつれ、気持ち悪いけどかわいいという“きもかわいさ”で人気に。公式グッズの売り上げも好調で、きょうまでだった販売期間は来年3月末までの延長が決まった。

 そういえば、ミャクミャクと島根県の観光キャラクター・しまねっことのコラボ商品も松江市内の土産物店で見つけた。閉幕後は、山陰への外国人観光客の誘致実績など万博効果の検証も必要になるが、まず目に見える効果をもたらしたのはミャクミャクかもしれない。(健)