出雲署は12日、出雲市内の70代女性が、架空料金請求名目で現金2030万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。

 出雲署によると2024年11月中旬、女性宅の固定電話に証券会社のコンドウを名乗る男が連絡してきた。男は実在する銀行名を挙げて島根県に進出することになったと説明し、「債権を購入する権利者にあなたが選ばれた」と述べた。女性は購入を断り、債権枠を他の人に譲渡するのを了承した。

 数日後、女性はコンドウから「あなたの名前で別の人が債権を買ったことがばれた。あなたのところに国税局や警察が行くかもしれない」「800万円の債権を買ってもらえたら、880万で買い取り、欲しい人に売る」と勧められた。11月下旬から12月初旬に指示された住所へ送金したほか、個人名義の口座に現金を振り込むなど、計800万円を送った。

 12月中旬には貿易会社のアライを名乗る男から「債権を譲ってもらえないか。他の会社に売却するなら金融庁や国税局に通報する」と連絡があり、1230万円を送金。被害は計2030万円に上った。

 出雲署によると、女性が解約して返金を求めようと相手に連絡したところつながらず、家族に相談した。電話は03や050から始まる番号からかかってきていたという。