2025年は、昭和の元号で100年に当たる節目の年だ。山陰両県には、戦中戦後の激動の時代を乗り越え、100年を超える歴史を刻む老舗企業が700社超ある。ライフスタイルや消費ニーズの変化に対応しながら、事業を継続させてきた企業を取材すると、地域経済振興のための多くのヒントがあった。

元重製陶所(江津市)
新製品開発で時代乗り越える

 すり鉢、おろし器を専門に製造する元重製陶所(江津市嘉久志町)は、石見焼の窯元として1925(大正14)年に創業し、今年で100年の節目を迎えた。職人技による手仕事を残しながら、生産工程の機械化を進めて量産化を実現。時代の変化は新製品の開...