<短歌>

 ◇湖笛仁多支部(奥出雲町)

見はるかす熊子の山はいつしかにこぶし咲く見ゆ花明かりして 小池 弘子

ゆったりとつがひの鳶の舞ふ空は花の盛りのその上にして 高橋 正美

朝ごとに藤の花房伸びるらし白き簾の隠しゆく空 藤原 郁子

暮れ泥む新緑の庭を今しばしと引きしカーテンまた開きたり 長瀬 泰枝

雪解けの川岸近く高々と雉子の鳴ける初音の聞こゆ 加本 楠雄

風にのり無尽に降りゆく花びらは桜の色...