関係者を乗せて出発する新型車両「8000系」=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅
関係者を乗せて出発する新型車両「8000系」=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅

 一畑電車(出雲市平田町)の新型車両「8000系」の営業運転を前に9日、松江しんじ湖温泉駅で出発式があり、関係者や鉄道ファンがデビューを祝った。11日から営業運転する。2025年度に1両、26年度に2両導入する。
 

新型車両の出発を祝う関係者=松江市中原町、松江しんじ湖温泉駅


 新型車両(座席定員55人)はステンレス製で、上下にオレンジ色のラインを引いた。車体前面はつや消しの黒色塗装を施した。形状や性能は14~16年度に導入した7000系を基本にしている。

 車内には、窓に沿って配置されたロングシートと、時間帯に応じて座席を進行方向と窓沿いに変えられるデュアルシートを設けた。通勤・通学で混雑する朝夕の時間帯は全席ロングシートとし、観光客の利用が多い時間帯などは一部の座席を進行方向に向く配置に変えて運転する。

 松江市中原町の一畑電車松江しんじ湖温泉駅であった出発式で、足達明彦社長は「新型車両導入を機に、ますます安全で安定的なサービスを続けたい」とあいさつした。

 鉄道ファンが見守る中、関係者約20人を乗せた臨時列車が津ノ森駅に向かった。車両を見に訪れた松江市立内中原小学校5年の小中京介さん(11)は「ステンレスを生かしたデザインがかっこいい。デュアルシートに早く乗りたい」と笑みを浮かべた。

(小引久実)