ビーチ沿いに広がる芝生の公園を、子どもたちがはだしで駆け回っている。美しいハウラキ湾を見つめながら、酒井宏樹(34)はつぶやいた。「ここ、すごくいい街ですよ。新しい挑戦を妻や子どもたちと一緒に乗り越えていく。それは家族にとっての大きなステップになると思うんです」

 サッカーの日本代表としてワールドカップ(W杯)3大会を経験したディフェンダーは2024年の夏、ニュージーランドのオークランドFCに加入した。Jリーグ屈指の人気クラブ、しかも2シーズン連続で主将を務めていた浦和レッズを離れる決断は驚きを与えたが、それ以上に意外だったのは、強豪国ではないニュージーランドを新天地に選んだことだった。どんな思いで南半球の島国へ渡り、オーストラリアAリーグに参戦する新設クラブで何を感じながらプレーしているのか。オークランドで話を聞いた。(共同通信=井上将志)

 

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