2022年に島根県海士町で研修を受け、国際協力機構(JICA)の海外協力隊として活動した3人が10日、同町内で帰国報告会を開いた。3人は研修中に地域活動で得た経験を赴任先のアフリカ各国での活動に役立てたと報告した。
報告会ではセネガル派遣の藤戸拓実さん(27)=高知県出身、ケニア派遣の鈴木みのりさん(26)=長野県出身、ジブチ派遣の板垣ゆいさん(32)=神戸市出身=が登壇した。
3人はいずれも学校教育に携わり、現地の児童・生徒が未体験のカリキュラムづくりや教諭の研修に携わった。海士町では22年7~9月に藤戸さんが森林組合、鈴木さんと板垣さんは農業の現場に入って研修した。
当時、高齢化で管理ができず草木に覆われた海難慰霊碑公園を整備した藤戸さんは「海士町で地元の人の話を聞いて信頼関係を築き、活動に巻き込むことは現地の活動で糧になった」と強調した。板垣さんも「ネット検索では得られない情報が多く、海士町で培った人に聞く力が役立った」と話した。
同町内では22年1月から地域課題解決に取り組む派遣前研修「JICA海外協力隊グローカルプログラム」を実施し、現在は12期生3人が活動している。(鎌田剛)