映画「砂の器」のロケ地になった雲南市大東町下久野地区をPRしようと、地域自主組織・久野地区振興会がロケ地の案内看板を設置した。8カ所を映画の場面の解説文とともに紹介している。
映画は殺人事件の謎を追う松本清張の小説が原作で、1974年10月に公開された。下久野地区はハンセン病の父と、その子の旅が描かれた映画後半のクライマックスシーンの撮影地になった。今でも映画のファンが訪れるという。
案内看板は縦90センチ、横120センチで、ロケ地は地図に番号を付けて示した。迫害を受けながら旅を続けた父子を助ける三木巡査が勤務する亀嵩駐在所は、ロケ当時の写真を使って紹介した。撮影の様子を住民が見守っているのが分かる。民家の車庫を増築して駐在所のセットを作ったことも説明した。
父子が石灯籠へ寄りかかって休む場面や、刑事が車に乗って走るシーンのロケ地も紹介した。久野地区振興会の植田覚さん(68)は「自然豊かな地区の風景を楽しみながら、ロケ地を巡ってもらえるとうれしい」と話した。
案内看板は主要地方道玉湯吾妻山線と安来木次線の交差点付近に設置した。
(山本泰平)