元朝日新聞記者で、かん酒の愛好家、稲垣えみ子さん(60)=東京都在住=がこのほど、出雲市斐川町で、かん酒を楽しむイベント「燗酒(かんざけ)バー」に参加し、市民約30人と交流しながら魅力を伝えた。
稲垣さんは記者の時、日本酒の特集記事を担当し、かん酒の魅力を知った。特に山陰両県は「かん酒のおいしい蔵が日本一集積している」とし、何度も足を運んでいるという。
親交のある出西窯の招きで参加した稲垣さんは「冷酒の香りのような派手な分かりやすさではなく、じわじわといつまでも飲んでいられる」とかん酒の魅力を紹介した。飲んですぐに酔っぱらえるので、隣の人とも仲良くなれる「友達が増える酒」とも話し、自ら来場者についで回り、酒談議を楽しんだ。
出雲市大津朝倉1丁目、公務員の佃浩憲さん(61)は「普段はあまり飲まないが、かん酒のおいしさが分かり、とても楽しい時間が過ごせた」と喜んだ。稲垣さんも「見た目のすごさやブームよりも、長い時間をかけて良さが分かるものは、すごく大事なこと。その良さを紹介できる機会になればうれしい」と笑顔で話した。(佐野卓矢)













