江津市江津町本町地区の石見焼窯跡発掘調査で発見されたかめやつぼ、鉢、窯道具の遺物34点の常設展示が、甍(いらか)街道交流館で始まった。
石見焼窯跡の竹下窯は1887年ごろに開業し、1943年ごろに廃業した。岡山理科大学(岡山市)が2020年度から4年間、市教育委員会や地元住民でつくる「本町地区歴史的建造物を活(い)かしたまちづくり推進協議会」と連携して発掘調査をした。見つかった遺物を展示する。
展示棚は島根職業能力開発短期大学校(愛称・ポリテクカレッジ島根)の学生が市や地元まちづくり団体の依頼を受けて製作した。木製の棚は大きさの異なる3台で、設置場所を変える際、分解、組み立てが容易な点が特徴。「はんど」と呼ばれる石見焼の水がめは昭和初期製造の5点で、大きいものは直径55センチ、高さ61・4センチ。窯道具の「ヌケ」は6点で、高さ90センチ超のものもある。
ポリテクカレッジ島根住居環境科2年の三代隆仁さん(20)は「多くの人に足を運んでもらえるきっかけになればうれしい」と話し、協議会の吉田茂会長(74)は「まちのシンボルの一つの建物の魅力が高まった。地域の財産として発信していきたい」と来館を呼びかけた。
午前8時~午後5時。予約不要で休館日なし。(村上栄太郎)