女川浦を出た神風丸は、雄(お)勝(がつ)湾の湾口から広田半島沖を北上した。風が強くなり、3メートルを超える波も押し寄せる。仁助は揺れる船から海岸を観察して地形と航跡を地図に記し、美しい海岸に感激する。実はこの美しさ...