彫刻の作品を見る来館者=松江市袖師町、島根県立美術館ギャラリー
彫刻の作品を見る来館者=松江市袖師町、島根県立美術館ギャラリー

 松江市袖師町の島根県立美術館ギャラリーで島根大教育学部美術科教育専攻3年生による作品展が開かれている。若い感性の絵画や彫刻が来場者を楽しませている。24日まで。入場無料。

 伊藤綾香さん(21)、松島加奈さん(21)、太田小百合さん(21)、田中伶奈さん(21)の4人の作品約30点を並べた。

 伊藤さんはJR松江駅のバス停を描いた。縦約160センチ×横約130センチの絵画で、人物をぼかしたように描き、自分と他者の境界の曖昧さや不安定さを表現した。

 松島さんの彫刻「遊歩」は公園にある動物の形の遊具を題材にした。島根大で採取した「ユリノキ」を寄せ木にして仕上げ、実際に触ったり座ったりすることができる。

 遠くからみると曲線が多く柔らかい印象だが、触ると反対に角張った木の質感で感覚のずれを楽しめる。高さ約10センチのミニサイズになった「遊歩」も約20個並び、いまにも歩き出しそうな躍動感がある。

 ほかにもキャラクターのデザイン画や心臓を模した彫刻作品が来場者の目を引いていた。伊藤さんは「新しい表現を日々追求している。ぜひ見に来てほしい」と呼びかけた。(林李奈)