―昨年、益田市と地域活性化包括連携協定を締結しました。
生活協同組合は、少子高齢化や急激な人口減少、物価高騰など暮らしを巡る不安が高まる中、さまざまな課題をみんなで協力し解決する組織です。とりわけ、生産者・メーカーと組合員で作り上げた安心・安全なCOOP商品や産直商品の供給、1日当たり約1700食の夕食宅配事業は、組合員の日々の暮らしを支える基盤です。また、日常の困りごとを助け合う「おたがいさま」や子ども食堂、フードバンクにも支援の輪を広げています。地道な活動は、40年間の歴史の中で一層の信頼を高めることにつながり、地域になくてはならない重要な生活インフラと位置づけられるようになりました。こうした背景もあり、市町村との包括的な連携協定締結につながりました。

―具体的にどんな活動ですか。
近隣に商業施設がない益田市匹見下地区で買い物支援を始めました。配送時間の都合などで配達が困難なエリアでしたが、地域拠点の公民館に生協が商品を届け、住民ボランティア「匹見下いいの里づくり協議会」が宅配を担当してくださいます。高齢者の見守りにも役立っており、人口減少時代の地域課題に対応するには、連携や協働の仕組みが大事だと実感しました。新たに協議を始めた自治体もあり、介護保険などでは対応できない困りごとの解決と地域コミュニティーの再生につなげます。一方、災害時の隣県連携体制強化など全国組織を生かした取り組みも推進します。

―2025年の展開は。
組合員と地域のために、改革に取り組む年にします。島根県は東西に長く離島もあり、地域課題も異なります。課題解決の実効性を高めるため、東・中・西・隠岐の4エリアに独立性を持たせる組織改革を進めます。さらに、本年は被爆・戦後80年です。生協は長年、被爆者支援や核兵器廃絶を訴えてきました。長崎で自ら被爆しながら負傷者の救護に尽力し、平和を訴え続けた永井隆博士のふるさとの雲南市で、地元と協力して学習活動などを行います。

 

生協での仕事は、生協組合員、地域の方々、お取引先、職場の仲間との関りの中で営まれ成り立っています。組合員ひとり一人の多様な暮らしに向き合い、その人に合ったより良いくらし実現のために、関係する人々と連携し一緒になってお互いの役割を果たしていく主体的で創造的な活動でもあります。共に生き共に創る仲間として歓迎します。

安井光夫:島根県出雲市大社町出身(67歳)
1984年、創業者の一人として生協しまねを立ち上げる。
昨年、創立40周年記念式典を、丸山島根県知事をお招きし盛大に開催。よくやってきたなと、自分をほめる💦。
趣味は、家事全般こなすこと。朝食づくりもお手の物。ゴミ分別、風呂洗いなど担当する家事は多数に及ぶ。その他読書、ゴルフなど。