―国土交通省の羽田発着枠政策コンテストによる配分で、萩・石見空港は、2029年3月まで1日2往復運航が継続されることになりました。
まずはほっとしています。24年6月に就任後、会合やイベントでこちらが空港の利用をお願いする立場であるにもかかわらず、地元の皆さまから激励を受けました。熱い思いや期待の大きさを感じています。

―利用状況はいかがですか。
コロナ禍後の人の流れは確実に戻っています。24年度の羽田便の利用者数は25年1月末時点で11万4810人となり、前年同期を4%上回っています。年間利用者数は13万5千人前後になるペースで、年間目標の15万2千人には届きませんが、23年度より約5千人増える見込みです。

また、24年は全国的にも珍しい滑走路を走る萩・石見空港マラソンや「益田I・NA・KA(イナカ)ライド」のほか、歌会や星空観測会など空港に親しんでもらえるイベントも開催され、多くの方に楽しんでいただきました。これからも工夫を凝らし、空港を盛り上げたいと考えています。


―利用促進をどのように図りますか。
島根県西部や山口県北東部の空港利用圏域には蒸気機関車(SL)の運行や柴犬、グラントワ、温泉などさまざまな魅力があります。そうした地域資源の良さを発信する「圏域のショーケース」としての機能を発揮していきたいと思います。空港内の売店やレストランで地元産品を取り扱うだけでなく、現地での体験をアピールできないかと考えます。

―利用者に優しいターミナルを目指しています。
おむつの自販機の導入や授乳室のリニューアルなど、コンパクトで利用しやすい利点を生かしつつ、安心して利用できる空港になるよう整備していきます。島根県西部で萩・石見空港は絶対に必要だと確信しています。地元に親しまれる空港となることでさらなる利用拡大につなげたいです。

空の旅でお客様のFace to Faceのコミュニケーションや、旅先を五感で楽しむ機会をお手伝いしてきました。山陰地方を5つの空港がカバーしていますので、若者向け運賃等を活用して各地へ飛んでみてください。普段と違う相手や場所に直に触れることでグローバルな感覚に磨きがかかると思います。

柴田 洋:三重県伊勢市出身(61歳)2024年に現職に就任。 1987年にANAに入社、国際線を中心に航空ダイヤ調整、オペレーションコントロール、ホノルル支店長などを歴任。初めての益田暮らしですがスーパーに並ぶ新鮮な魚や地元野菜にすぐ魅せられました。学生時代以来の鉄道趣味にも力が入り、海山川を走るディーゼル車に乗ったり撮ったりを楽しんでいます。