原爆投下と敗戦から76年。広島での記者時代から被爆者に向き合い、戦争と原爆に関する取材を続けてきたノンフィクション作家の堀川恵子氏が新著「暁の宇品」を刊行した。原爆投下の起点と敗戦に至る軌跡を検証するのが狙いだ。先の敗戦と被爆は現代日本に何を問い掛け、進むべき針路をどう照射しているのか。 (聞き手は共同通信編集委員・太田昌克)

 アジア太平洋への出兵拠点となった広島・宇品に基地を構え、1945年8月6日の原爆投下後、市民の救援救護に当...