ー島根県立中央病院は、県内で唯一指定を受けている「高度救命救急センター」として、救急医療に力を入れています。
当院の入院患者は、半数近くが救急で来られます。救急外来で年間2万人、救急車は4千台受け入れています。2026年で運用開始から15年になるドクターヘリの出動件数は年間500件です。われわれは「県民の命と健康の最後の砦(とりで)」という意識で業務に当たってます。

ー外国人住民が増加する中、ブラジル出身者向けの産後食を開発しています。
当院でも受診の需要が増えており、特にブラジル出身者による出産は全体の出産数の1割を占めています。安心で満足できる入院生活にしてもらおうと、ラタトゥイユやチキンストロガノフといった、ブラジル料理を取り入れた産後食メニューの提供に取り組んでいます。

 

ー医師の働き方改革が求められています。
24年度に始まった医師の働き方改革で、一部の診療科では時間外労働の上限を年1860時間とする特例を申請しました。しかしこの特例はいずれは廃止されるので、今後も時間外労働の削減の取り組みが必要です。鍵となるタスクシフトの一環として、25年度には看護師の特定行為研修を行い、麻酔領域の特定看護師を2人養成します。このほか業務にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を積極的に取り入れるなどして、効率化を図りながら負担の軽減に努めています。

ー院内外で開かれている健康講座が好評です。
月1回、医師や看護師、栄養士などがロビーで行う「知って得する健康ミニ知識」のほか、院内で開く市民公開講座、コミュニティセンターなどでの出前講座は、脳卒中やフレイル(虚弱)といった身近なテーマを取り上げています。病気やけがは何よりも予防が大事で、病気になったとしても早期発見がとても重要です。23年度に高機能ドックも始めました。これからも予防と治療の両面に力を入れていきます。

 

島根県病院局では、人々の命と健康を守るため、より良い医療を提供して世の中に貢献したいと考える医療従事者を幅広く募集しています。

チームワークを大切にして協力しながら仕事のできる人、常に最新の知識と技術を探求する向上心を持つ人、そして倫理感と責任感を大切にできる人を求めています。              

私たちとともに多職種が高い専門性を発揮し、チーム一丸となって働ける日を楽しみにしています。    

山口修平=兵庫県姫路市出身(70歳)、2019年に現職に就任。                            

1979年に京都大学を卒業し、翌年島根医科大学に赴任し、脳神経内科医として臨床、研究、教育に従事。                            
1988年にカリフォルニア大学デービス校、2001年にカリフォルニア大学バークレー校に研究留学。

2006年から島根大学医学部・教授、2015年から医学部長。専門領域は脳卒中、認知症、認知神経科学。

趣味はゴルフで、最新ハンディキャップは6。妻と2人暮らし、子供は3人。