東京電力福島第1原発事故の発生から3日目の2011年3月13日午前11時半、駐日米大使ジョン・ルースが官房長官の枝野幸男と電話会談した。会談は米側の要請に基づくものだった。米側がメルトダウン(炉心溶融)の影響を危ぶむ中、日本に滞在する米国人の保護に懸命なルースは情報不足に苦労していた。

 「ルース大使はこの頃、いろんな報告を複数のルートを通じて受け取っており、情報の交錯状態に困惑していたのだろう。原発事故の経験がない日本の関係省庁はそれぞれのルー...