【米子】段ボールでJR山陰線最古の駅舎・御来屋(みくりや)駅(鳥取県大山町西坪)を再現したクラフト作品=写真=が、米子市淀江町福岡の伯耆古代の丘公園に展示され話題を呼ぶ。旧国鉄の運転士だった原禎幸さん(66)=出雲市湖陵町=が完成まで4カ月かけた労作。50分の1サイズで仕上げた登録有形文化財の駅舎が郷愁を誘う。
1972年、分割民営化前の国鉄に入り、米子鉄道管理局(現JR西日本米子支社)では気動車の運転士を長く務めた。明治期に開業した御来屋駅は思い出深い停車駅の一つという。
今年2月に製作を開始。使用済み段ボールを材料にいくつものパーツを作り、最後に組み立てる独自技法で完成させた。合間には現地を2度訪れ、細部の一つ一つにこだわった。
縦、横ともに約1メートルの大作。駅舎の他に停車中の蒸気機関車や大八車、自転車も配置し、昭和初期の御来屋駅を表した。
企画した井上玲美学芸員は「精巧な作品に触発され、実際の駅舎を見たいという来館者が多い」と反響に驚き、原さんは「皆さんに駅舎の文化財的価値を知ってほしい」と話した。
27日(第2、4水曜日休館)まで。入場無料。
(山根行雄)