鳥取県北栄町国坂の国道9号沿いに現地建て替えで「道の駅ほうじょう」が25日オープンした。山陰道北条道路(整備中)のインターチェンジ近くで、駅名に「豊穣(ほうじょう)」の意味も込めた地域振興拠点。「食のテーマパーク」を掲げ、新鮮な野菜や果物、地元食材を使ったパン、スイーツなどをそろえ、観光客やインバウンド(訪日客)も呼び込む。
北栄町と国土交通省が整備。国道北側のオープンキャンプ場で昨春リニューアルしたバーベキュー棟に続き、南側で木造一部鉄骨平屋の駅舎、防災倉庫などが完成した。総工費は南北計29億円で、町が17億円、国が12億円をかけた。道の駅や飲食事業を展開するTTC(静岡県熱海市)の子会社ホシトリンク(北栄町松神)が管理運営する。
屋根のなだらかな曲線が北条砂丘を連想させる駅舎には、農産物や土産品などの物販コーナー、食堂、パン、スイーツの店などがある。特産の長芋「ねばりっこ」の新商品開発に力を入れ、長芋とチーズがとろりと伸びるカレーパンや、ソバ、丼などのオリジナルメニューが楽しめる。
約80人が参列した記念式典で、TTCの河越康行社長は「地元の農産物を使った商品企画力を生かし、世界中から目的地となる道の駅にしたい」とあいさつ。手嶋俊樹町長らがテープカットで祝った。オープン前から町民らが長蛇の列を作り、新鮮な野菜や珍しい商品を競って買い求めた。
(吉川真人)