日本犬の一種である甲斐犬の展覧会で、大田市鳥井町の会社員、山崎靖子さん(51)が飼う「太郎」が、山梨県であった模様や毛並みの美しさを競う春の展覧会の成犬牡(おす)部門で1席に輝いた。甲斐犬の愛好家は島根県内では少なく、快挙を喜んでいる。
甲斐犬は山梨県原産で中型の狩猟犬。1934年に国天然記念物指定を受け、全国にファンがいる。展覧会は保存団体「甲斐犬愛護会」が春秋の年2回開いており、単独犬種の展覧会としては最も伝統があるという。
展覧会は年齢や性別ごとに部門が分かれ、2歳9カ月の太郎が出場したのは、出場数が最も多い2歳以上の成犬牡部門。本番は、誘導役を務めたハンドラーの夫道久さん(56)のもとで終始落ち着いた姿を見せ、尾をピンと立てて自慢の美しい模様や毛並みを存分にアピール。同部門出場40匹のうちのトップに選ばれた。
愛犬家の知人に紹介されたのをきっかけに、生後約7カ月の太郎を譲り受けて飼い始めた。現在は太郎の子どもを含め、計4匹を飼育する。
特別な訓練をするわけではないが、朝晩40分の散歩を欠かさず、多くの愛情を注いでいる。靖子さんは「普段は甘えん坊な性格で、いきなりの1席で驚いた」と話し、次回以降は歴代の1席、2席のみが出場できる総合優良犬部門に挑戦するという。
(勝部浩文)