民家の庭で鮮やかに咲いたセッコクの花=島根県隠岐の島町犬来
民家の庭で鮮やかに咲いたセッコクの花=島根県隠岐の島町犬来

 島根県隠岐の島町犬来の民家でラン科植物のセッコクが満開になった。町内にある火山性の岩石によく根を張るといい、独自の栽培方法で花を咲かせた100株以上のセッコクが純白や淡いピンクの花を咲かせている。

 セッコクは服部セツ子さん(79)方の庭にあり、鮮やかな花からは甘い香りが漂う。「長生蘭」とも呼ばれ、多年草のセッコクは約30年前に知人から2株をもらい受けたのが最初だった。

 表面が粗い火山性の岩でよく根を張る特性を見い出し、木綿の糸で根を固定して増やしていった。試行錯誤を繰り返して水やりや液肥を加えるタイミングを確立し、町内でも随一の花園ができた。特に花が終わった後の手入れがポイントになるという。

 連休明け後、開花が始まり、満開は例年より少し遅いという。服部さんは「寒暖差が激しい日が多く、強風で飛ばされることもあった。ここまでよく咲くとは思わなかった」と話した。(鎌田剛)