第四章・公儀と大名(2)

 

 猿千代は利長の了解を得てから、家康の前に進んで脇差を受け取ろうとした。家康は素早く片膝立ちになり、抜く手も見せずに斬りつけた。

 並の者なら後ろに下がってさ...