昨夏の甲子園で大社高校野球部をベスト8に導いた石飛文太監督(43)が出雲市内で講演し、「大社旋風」と呼ばれた快進撃の裏にあったエピソードや、生徒を成長に導く手法を紹介した。
石飛監督は、昨夏のチームづくりについて「生徒たちの良さを生かすため、邪魔をしないように心がけた」と振り返った。OBや保護者とも良好な関係を保ち、純粋に野球を楽しめる環境をつくったことが、選手の主体性を育み、強化につながったとした。
成長に向けては生徒が現在地を知り、目的地を明確にすることが大切とし「目的地の行き方まで教えるのは難しいが、日頃やることを一緒に決めるなど、共に歩んでいく姿勢で取り組んでいる」とした。
甲子園の舞台裏にも触れ、活躍してほしい選手に対し直接伝えるとプレッシャーになるため、新聞のインタビュー記事を活用。記事を通して期待を知った選手たちが、ことごとく大活躍し「選手の力はすごい」と力を込めた。
講演会は日本救急医学会中国四国地方会の市民公開講座として開かれ、医療関係者や市民ら約300人が聴講した。(佐野卓矢)