第四章・公儀と大名(29)

 

 利長は富山城の天守閣の三階にこもり、立山連峰をながめながら考えを巡らした。信長は問題に直面すると安(あ)土(づち)城の天上の間にこもり、琵琶湖や比(ひ)叡山(えい...