前線停滞による大雨は11日の降り始めから17日で1週間となった。これまでに土石流に巻き込まれるなどして少なくとも7人が死亡、4人が行方不明になった。長引く雨は復旧・救助活動の妨げにもなっている。この間の降水量だけで年間平年値の半分を超えた観測点も出ており、気象庁は引き続き災害への厳重な警戒を呼び掛けている。

 長崎県西海市の用水路や周辺で14日に倒れていた70代女性2人について、県は17日、大雨が原因で死亡したと判断。さらに13日の土砂崩れで女性が死亡し、2人が安否不明になった長崎県雲仙市の現場で新たに1人が見つかって死亡が確認され、死者は7人になった。他に16日に浜田で88歳女性が遺体で見つかった島根をはじめ、広島、福岡、佐賀、長崎、熊本の各県で計7人が死亡し、警察などが大雨との関連を調べている。

 雲仙市の現場では残る安否不明者の捜索が続いた。熊本、広島両県でも増水した川に流されるなどして3人が行方不明になっている。

 国土交通省は大雨に伴う土砂災害を17日午後0時半現在、21都府県で計91件確認したと発表。河川の氾濫は正午現在で雨が水路や下水道からあふれる内水氾濫を含め9県の計60河川で発生した。

 17日はJR九州が九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で運転を終日見合わせたほか、在来線も運休や減便の措置を取って市民の足に影響が出た。

 気象庁によると、11日以降の総降水量が千ミリを超えたり、千ミリに迫ったりした観測点が増えている。佐賀県嬉野市や福岡県大牟田市は既に年間の平年値の半分を超え、17日午後9時の時点でそれぞれ1171・0ミリ、1011・5ミリに達した。

 総務省消防庁によると、床上・床下浸水などの住宅被害は、17日午前8時現在の集計で17府県の約4450棟に上った。全壊・半壊の被害は広島、福岡、長崎、大分の各県で12棟に及んでいる。