【カブール共同】イスラム主義組織タリバンが復権したアフガニスタンからの脱出を望む市民が押し寄せ、混乱を極めていた首都カブールの空港は17日、軍用機の運航を再開した。滑走路にまであふれた群衆は排除され、各国の外交官らが続々と出国。諦め切れない千人以上の市民が空港近くに集まり、中に入らせないようにする威嚇発砲の銃声が響いた。
タラップによじ登り、離陸中の米軍機にしがみつく―。タリバンがカブールに進攻した15日から16日までに数千人の市民が空港になだれ込んだ。AP通信によると、混乱で7人が死亡した。
空港は米軍の管理下に置かれ、17日には侵入できなくなった。それでも空港に続く道路には、出国を目指す市民が集まった。空港に近づこうとすると、警備に当たるタリバン兵が木の枝を振りかざして追い払った。
「タリバンは怖い。仕事もなく、将来に希望を持てない」。東部パクティア州から来たジャモール・アフガンさん(27)はカナダ行きを希望する。だが親類がいるわけでもなく、渡航に必要な証明書も持っていなかった。